コラム
COLUMN
前田悠也
第1回:新年を迎えて
1月某日、ドミニカ共和国出身の育成選手4名が来日しました。
私はそのうち、早朝の便で来日する2名(ティマ、ウレーニャ両選手)の出迎えを依頼されたため、4時半ごろ自宅を出発して空港へ向かいました。たくさんの重い荷物を抱えた選手たちは、第三国を経由して丸一日をかけて来日しますが、若く体力のみなぎる彼らも到着直後はさすがに疲れ切った様子でした。ティマ選手は新しく建設された寮へ、ウレーニャ選手は自宅へとそれぞれ向かいます。
1月13日には、別の便で来日した2名(ルシアーノ・ラモス両投手)を合わせた4人とともに、私たち通訳もいよいよ育成練習に参加します。通常の練習やトレーニングに加えて、トレーナーによる状態のチェックや治療の際、あるいは選手名鑑で用いる写真の撮影時など、さまざまな場面で通訳が必要になります。また、荷物がある選手に必要に応じてタクシーを手配したり、選手の代理で各種手続きを行ったりと、球団通訳者の業務内容は多岐にわたります。
また冬の間も温暖な気候で知られるドミニカとは異なり、ジャイアンツ球場が位置する川崎市では寒い日々が続いています。
長時間にわたる移動の疲れが癒えないなか、練習初日から支配下登録に向けてアピールしようと張り切る選手たちに対して、決して無理をしないようにとトレーナーとともに念を押しつつ練習を見守ります。
次回のコラムでは彼ら育成選手のほか、来日が予定されている支配下選手の様子も記したいと思います。
前田悠也
東京都出身。中学から米国に留学。現在、巨人軍英語通訳