コラム

COLUMN

前田悠也

第2回:キャンプインを目前にして

キャンプインまで残すところあとわずかとなりました。
先日来日した育成選手に加え、支配下選手も無事に日本に到着し、球団通訳者の業務もさらに忙しくなりました。来日して間もない選手は生活の基盤を整えるため、家電や日用品などを買いに行きますが、同行して必要な物品をそろえるのをサポートするのも通訳の役割の一つです。
また昨年から引き続き在籍する支配下選手に関しては、彼らが来日する前に宮崎キャンプに向けた「荷出し」が行われるため、母国に滞在中の選手と連絡を取り合い、ジャイアンツ球場に残した荷物のうち、春季キャンプ中に必要となるものを彼らの代わりにトラックまで運びます。

新入団のケラー投手を含む4人が来日する当日、私はバルドナード投手の出迎えを依頼されました。チーム内で「バルちゃん」の愛称で親しまれているバルドナード投手はパナマ出身で母国語はスペイン語ですが、米国でのプレー経験が長く英語も堪能なため、英語通訳の私が出迎えを任されました。空港で彼の到着を待っていると、顔見知りの記者の方に声を掛けられ、同投手の取材を要請されました。到着口から出てくるバルちゃんと抱擁を交わし、取材に協力してもらえるように頼みます。長旅で疲れていたはずですが、ナイスガイのバルちゃんは快くインタビューと写真撮影に応じてくれました。

一夜が明け、キャンプインに向けて自主トレを行うため、来日した選手が早速ジャイアンツ球場に集まります。昨年共に仕事をしたグリフィン、バルドナード、メンデス各投手の元気な姿を見て安心したと同時に、この日私は初めて、阪神から移籍してきたケラー投手と対面しました。入団会見で彼が着用していた深緑のスーツも印象に残りましたが、それ以上に彼の物静かで紳士的な人柄に感銘を受けました。

次回のコラムでは、宮崎キャンプの様子や、先日入団が発表されたオドーア選手についても書きたいと思います。

前田悠也

前田悠也

東京都出身。中学から米国に留学。現在、巨人軍英語通訳

一覧へ戻る