コラム

COLUMN

前田悠也

第3回:春季キャンプを迎えて

1月31日、来日して間もない外国人選手とともに、私たち通訳もチーム便で宮崎に移動しました。
私は一軍の野手担当として、育成選手で唯一、一軍キャンプに参加することになったウレーニャ選手と行動を共にすることになりました。そもそもウレーニャ選手は2020年から2022年までジャイアンツに在籍していましたが、戦力外通告を受けて退団し、昨年は楽天イーグルスに所属していました。新体制となり、再びジャイアンツのユニフォームに袖を通すことになりましたが、以前より身体が引き締まり、表情も精悍になったように感じました。
ウレーニャ選手は一軍スタートとなりましたが、キャンプに先立って宮崎で実施される育成合同自主トレに参加するため、首脳陣と支配下の外国人選手が到着する数日前に現地入りしました。

支配下登録の外国人選手は来日してからキャンプインするまでの間、都内のホテルに滞在しますが、宮崎に移動する当日、私は羽田空港まで彼らの同行を依頼され、早朝にホテルまで迎えにいきました。選手はそれぞれ荷物が多いため、2台のワゴンタイプのタクシーに分乗して羽田空港まで向かいます。
宮崎到着後、チームは空港から直接青島神社に向かい必勝祈願の参拝を行いますが、私は外国人選手が機内に持ち込まずに預けた荷物を回収して、そのままタクシーで一人ホテルに向かいました。この日は参拝に行けませんでしたが、次のオフの日には散歩を兼ねて、個人的に青島神社にお参りに行ってきました。
ホテルで先に宮崎入りしていたウレーニャ選手と再会し、その日の夜に食事会場で行われたミーティングに共に参加します。新入団選手の紹介では、通訳を介さずに「ウレーニャです。よろしくお願いします」と日本語で自己紹介をすると、会場は大きな拍手に包まれました。

ウレーニャ選手は24歳とまだ若いため、日本人の若手選手と同様、早朝から練習を行います。支配下登録を勝ち取るため、「早出」と呼ばれる早朝練習から、全体練習が終わった後に行われる個別練習まで、精力的に取り組みます。
選手が着用するバッティンググラブですが、練習量が多いキャンプ期間中は特に消耗が激しく、自分で持参した製品もすぐに穴が開くため、キャンプインしてすぐに新しいものを10組注文しました。選手が必要な道具を発注するのも通訳の役割の一つです。この他にもアパレルやグラブなど、選手の代理でメーカーの担当者と直接連絡を取って納品してもらいます。

次回は沖縄キャンプの様子や、先日チームに合流したオドーア選手についても書きたいと思います。

前田悠也

前田悠也

東京都出身。中学から米国に留学。現在、巨人軍英語通訳

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