コラム

COLUMN

加藤直樹

#52:球場外の通訳~メガネ屋・眼科~

新しい年を迎える1月は、2月からのキャンプインを前に球団業務も徐々に本格化をしていきます。通訳陣も外国人選手の受け入れ準備を進め、無事に来日したあとは、グラウンドはもちろんのこと新生活のための必需品を揃えるところも一緒にサポートします。過去には「メガネを作りたい」という選手もいて、メガネ屋さんに同行し、視力検査や細かいデザインや機能性の通訳をすることもありました。グラウンドでは使わない用語がたくさんあり、なかなか日常では触れる機会のない専門用語を訳すのは新鮮でわたし自身も勉強になりました。

◼️メガネの作成で知っておきたい用語

度数入りのサングラスを複数作成したいと希望する選手に代わって、販売店の方との来店を調整しお店に向かいました。フレームやデザインなどが決まると、これまで使用していたレンズは母国に置いてきたそうで、新たに視力検査をすることになりました。コンタクトやメガネの作成で慣れていると日本語だと自然に理解できますが、いざスペイン語となると直ぐに出てこない用語も実はたくさんありました。例えば「乱視」。訳がすぐ出て来ず、スマホのグーグル翻訳を使いながらその場の対応をしました。

日本語スペイン語日本語スペイン語
視力検査exámen de la vistaフレームmontura / marco
度数aumento/graduación視界がぼやけるvisión borrosa
乱視astigmatismo偏光レンズlentes polarizadas
近視miopía紫外線ultra violeta(UV)
遠視hipermetropíaメガネ屋la óptica

◼️眼科で知っておきたい用語

また、個人でコスタリカを訪れた際に目が傷ついてしまい眼科で治療を受けたことがありました。そのときは、異物が目の中に入ってしまい、違和感を感じながらも放置していたところ、痛みがまして行きやがては目を開けていられないほどなりました。現地の眼科クリニックを受診すると網膜潰瘍と診断されましたが、幸いにも数回の診察と目薬一ヶ月ほどの処方で回復できるとのことで、胸を撫で下ろしたことを覚えています。一連の経過や目の症状を説明することに加えて、眼科でしか使わないような専門用語に触れる機会となり、今後何かしらの状況で選手が目を負傷して眼科の受診が必要となった場合を想定すると、語彙力を増やす良い経験となりました。

日本語スペイン語日本語スペイン語
眼科Oftalmólogo角膜córnea
瞳孔pupilal水晶体cristalino
網膜retinaひりひりする痛みardor
目薬gota痒みpicazón
角膜潰瘍úlcera corneal視神経nervio óptico

野球の通訳とはいえ、日常生活のサポートを含めてグラウンド外での通訳をする場面はたくさんあることがわかってもらえたのではないでしょうか。野球以外のテーマにもアンテナを貼って語彙力を増やして行くことは、様々な状況でスムーズな通訳をするために欠かせません。それは日常での選手の安心感はもちろん、通訳者への信頼にも繋がります。私自身、選手と一緒にいないときでも引き続き通訳者としてのスキルと幅を広げるために考えて行動していけたらと思います。

加藤直樹

加藤直樹

福島県出身。スポーツメーカー勤務後、独立行政法人国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として活動。その後、ジャイアンツアカデミーコーチを経て現在、巨人軍スペイン語通訳。

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